どこを点検するのか?
日常点検は、車両に乗る人に法律で義務付けられたものです。
そのため乗る前には必ず行わなくてはいけないものなのですが、実際には把握している人も少ない法律です。
基本的にはそう難しくない点検なのですが、日常として車両を使う人にとっては毎日行うには難しいものがあります。
そのため自分で区切りをもって行うという方法をとったほうが、よろしいでしょう。
その区切りとしては、給油時にスタンドに寄った際。
洗車をした際。
走行距離を目安にするのも一つの手です。
自分に合った区切りを見つけましょう。
日常点検は点検の基本で、特別な工具や技量は必要としません。
まず点検するところは、タイヤです。
空気圧、ひび割れ、損傷、異物、異常磨耗、溝の深さ、歪みや変形などをチェックします。
次はブレーキです。
ブレーキの遊びや効き具合、ブレーキパッドやシューの残量確認、マスターシリンダー内のオイルなどを前後ともにチェックします。
次は足回りです。
サスペンションの汚れや傷、シールのひび割れや破損をチェックします。
次はエンジンです。
エンジンの掛かり具合、異音やオイル漏れ、オイル量などをチェックします。
水冷エンジンの場合は冷却水の量も確認します。
次は灯火装置です。
ライトやテールランプ、ブレーキランプや方向指示器が正常に動き灯火しているかチェックします。
バッテリーの残量も確認が必要です。
エンジンが掛かっているのであがってはいませんが、セルの動きが遅かったりした場合は残量が減っている可能性があります。
また残量が少ないとあがることも考えられます。
スクーターは押し掛けはできませんので、特にバッテリーのチェックは重要です。
チェーン(ベルト)の張りのチェックで終了です。
車載工具以外で必要なものは、エアゲージくらいです。
ホームセンターやカーショップなどで手頃な値段で販売していますし、ガソリンスタンドには置いてありますので、特別なものではありません。
トラブルをなくすために行おう
この日常点検のリストに目を通してみると、どこかで目にしたことのあることだと思うかたがいらっしゃるはずです。
ツーリングを行うときにチェックすることと、ほとんど同じなのです。
法律上毎日行わなくてはいけないことは、実はツーリングにより長距離をトラブルなく過ごすために必要なことと同じだったのです。
長距離を走るために行うことを定期的に行えというのはかなり面倒なのですが、逆に考えると長距離を走るために行うことを定期的に行えば、かなりの期間に渡りノントラブルであり、それはすなわち機械の寿命の延命にもなるということです。
日常点検を行うことにより、破損などを軽微なうちに確認することができます。
軽微なうちに修理を行えば、修理代も安く済み、大きなトラブルに発展することはありません。
日常点検は面倒ではありますが、経済的にも機械にも優しく、そしてなにより自分の安全にも一役買っているのです。