ABSシステムはどんな効果があるの?


バイクのABSシステムとは

バイクのABSシステムとは「アンチロックブレーキシステム」のことで、急ブレーキをかけた時にタイヤが自動的にロックするのを防いでくれる電子制御システムを指します。
このシステムは、バイクを安全に走行する上でとても重要なシステムです。
バイクは2輪での走行をするため、自動車と比較してバランスを維持することが困難です。
また、転倒のリスクが高く、事故の際にはライダーが大きな衝撃を受けやすいという危険もあります。
しかしABSシステムが搭載されていると、走行中に急ブレーキをかけた時は、滑りやすい濡れた路面などを走行する際に、スリップを回避してバイク走行の安全性を高めることが可能です。

バイクが急ブレーキをかけると、ブレーキの制動力がタイヤのグリップ力を上回ってしまうという現象が起こります。
その結果タイヤが固定されてしまい、横滑りの状態となり、バイクは転倒リスクがとても高くなってしまいます。
特にバイクの前輪にこれが起こると、事故のリスクが高まります。

ABSシステムが効果を発揮するのは、ライダーが急ブレーキをかけたタイミングです。
普段の正常な走行においては急ブレーキをかける必要性はありません。
そのため、急ブレーキをかけるのは目の前に危険が差し迫っている時だと言えるでしょう。
そのタイミングで急ブレーキをかけたらバイクが横滑りで転倒すると、さらなる大惨事を招きかねません。
ABSシステムは、そうしたシーンやシチュエーションで大活躍してくれる安全機能なのです。

ABSシステムは義務化されている?

バイクのABSシステムは、2018年の10月1日から排気量が125cc以上の全てのバイクに標準装備することが義務化されました。
排気量が50ccから125cc未満の原付においては、二種カテゴリに分類されるものはABSシステムもしくはコンバインドブレーキシステムと呼ばれているCBSシステムのどちらかを装備することが義務化されています。
継続生産車種については、2021年10月1日からの適用がすでにスタートしています。

このABSシステムの義務化は、国土交通省が推進しているバイクの安全向上のための施策の一部によるものです。
ヨーロッパにおいては日本よりも早い2016年にすでにABSシステム葬儀が義務化されており、こちらも125cc以上のバイクが対象となっています。
なお原付の一種においては、ABSシステムを装備する必要はありません。

ABSシステムのメリット

ABSシステムは、タイヤがロックするであろうシチュエーションでもロックしない制御がされるというメリットがあります。
バイクの運転が未熟な初心者でも、タイヤロックのリスクを防ぐことができ、高い安全性を確保できるでしょう。
どんなタイミングでも安全に停止できることは、ライダーに大きな安心感を与えてくれるのではないでしょうか。