基本であり究極の技「ブレーキング」
3つのことを行うことができれば、バイクを運転することができます。
初心者からベテラン、いえMotoGPのチャンピオンに至るまでそれ以外の操作は必要としません。
走って、曲がって、止まる。これだけです。
文字で書くと簡単でも、初心者とチャンピオンでは違うように感じますが、アクセルを開けて走り、荷重を移動して曲がる、そしてブレーキを掛けて止まるという操作は、変わることはありません。
どの内容も細かい操作やスピードは違うのですが、基本は変わりありません。
中でもブレーキングは、走り出したらブレーキを掛けなければ止まれませんし、曲がることもできません。
ですが初心者には、難しくそして恐ろしく感じることだと思います。
特にブレーキロックは、教習所で経験されて転倒したかたも多いと思います。
最近ではABS装備のバイクも登場していますが、それは少数でほとんどが装備されていません。
そのためライダーの多くは、ブレーキングの技術を磨く以外に方法はありません。
まずそのためには、教習所で教わったブレーキングは忘れてください。
前後の割合とレバーの指は特にです。
自分と自分に合った方法をみつけよう
前後の割合は7:3、20年以上前ですと、6:4などと教わりました。
ですがよくよく考えてみると、車種によりバイクの車重の前後比率や、ブレーキの形状や種類、大きさなども違います。
それなのに同じ比率でブレーキを掛けて、安全に止まれるわけはないのです。
しかもリアブレーキは足で操作します。
微妙に動くことのできる指先と違い、体を支えながら爪先で細かな操作などできるわけはありません。
またバイクはリアで止まるのではありません。
荷重がかかるのはフロントです。
フロントが止まらないとバイクは止まらないのです。
当然掛かり過ぎると、前転したりロックしたりします。
まずフロントフォークを沈め、その後に本格的にブレーキングを行います。ポンピングではなく、二段式ブレーキングだと思いましょう。
ブレーキを抜くのではなく、軽く握りフォークを沈め、さらに握りこんでブレーキを掛けるのです。
このとき、効き過ぎるブレーキの場合ですと4本指だと力が強すぎます。
また逆に効かないブレーキですと2本や3本指では力が足りません。
自分の握力とブレーキとの兼ね合いが大切なのです。
ブレーキを掛けるときには、自分の体はハンドルで支えてはいけません。
ハンドルはぶれないために手を添えるだけで、体は下半身で支えるようにします。
ニーグリップなどで支えるのですから、当然足先が自由に動くわけはありません。
フットブレーキが自由に使えないのはそのためでもあるのです。
またハンドルで体を支えないのは、バイクの機能上の問題と共に、腕に力をいれないためでもあります。
腕に力が入ると、細かな操作ができません。
指先でロックしないように操作しているのですから、力が入っては滑ったときにリリースすることができないのです。
いきなりこの操作を高速でできるわけなどありません。
低速走行時などで練習して、普段から意識することにより可能になってきます。
制動距離が短く安全に止まれますので、ぜひお試しください。