スポーツバイクの必需品「トラクションコントロールシステム」


トラクションコントロールシステムとは

短く略してトラコンと呼ばれることも多いトラクションコントロールシステムは、バイクの安定感や安全性、そしてスムーズな走行をサポートするために搭載されているバイク機能の一つです。
高性能なスポーツモデルのバイクでは、トラクションコントロールシステムは欠かせないシステムの一つとなっており、発進したり加速する際にはリアタイヤの空転を制御してくれたり、リアタイヤが空転してエンジンの回転数が急上昇した時には点火するタイミングを抑えてくれます。

日本国内のバイク市場において、初めてトラクションコントロールシステムを採用したのは、1997年にYAMAHAから発売された2ストエンジンのトレールモデルだったランツァでした。
当時は画期的なシステムとして多くのライダーが注目しましたが、ランツァはオフロードバイクだったこともあり、トラクションコントロールシステムのメリットを大きく明確に体感できるほどではなかったのです。
その後には、バイクのABSやFI化が進んだことと合わせてトラクションコントロールシステムも改善や改良がおこなわれ、2000年代には現在のようなシステムが完成しました。
前後ホイールの回転差をシステムが検知した上で点火のタイミングを調整したり、噴射する燃料の量を調整したり、またスロットルバルブの開度を調整しながら滑りを抑制するといった役割を持つようになりました。

トラクションコントロールシステムが搭載されているバイク

現在、トラクションコントロールシステムを搭載しているバイクは、たくさんあります。
その中でも人気の高いバイクには、2008年にカワサキから誕生したNinja ZX-10R、ドゥカティからラインナップされたスーパーバイク1198Sなどが挙げられます。
2010年に誕生したBMWのS1000RRバイクも、トラクションコントロールシステムを搭載していることで話題を集めました。

トラクションコントロールシステムは、バイクに標準装備されるシステムとなってからも機能や役割の面でレベルアップし続けています。
例えば2011年にアプリリアからラインナップされたRSV4ファクトリーAPRCでは、トラクションコントロールシステムとIMUを組み合わせたコラボシステムが誕生し、バンクの角度も考慮しながらトランクションを制御できるシステムへと発展しました。

進化するトラクションコントロールシステムがバイクに搭載されていることによって、コーナーリングの立ち上がりではアクセルを開けづらいというハイパワーバイクのデメリットを解消したり、転倒を未然に防ぐことができる予防システムとしての役割も担うようになりました。
現在のトラクションコントロールシステムはこうしたトラブルを未然に防ぐシステムとしての役割を持つつとともに、より速く走るためのサポートをする役割などもあり、二極化が進んでいる点は見逃せません。