複雑?なホンダRC213V


ライダーがマシンのパフォーマンスを引き出すのに苦戦

アレックス・リンスといえば、2017年からチーム・スズキ・エクスターからMotoGPに参戦しているライダーとして有名です。
スペイン・バルセロナ出身のリンス選手は、スズキがMotoGP参戦を終了したことから、2023年からはホンダに移籍することが決定しました。

ホンダのサテライトチーム「LCR」に加入するリンス選手は、2022年11月にバレンシアで開催されたポストシーズンテストでRC213Vに試乗しました。
スズキとはかなり異なるホンダのRC213Vについて、彼は「複雑ではあるけれどそれほど悪いバイクとは感じなかった」と語っています。

ポテンシャルはあるはずだ

6年間スズキのバイクでMotoGPに参戦してきたため、ホンダのバイクに慣れるまでには時間がかかることは確かなようです。
コーナリングに関してはスズキのバイクのほうが乗りやすいけれど、RC213Vには「ポテンシャルがある」とも語っています。
RC213Vは2013年と2014年のFIMロードレース世界選手権のMotoGPクラスで2連覇を達成したマシンで、一部仕様が変更されたRC213V-Sは一般公道の走行も可能となっています。

世界一操りやすいマシン「RC213V」

マシンというのはライダーが操るものであり、勝つためには“扱いやすさ”が必要な手段だとホンダでは位置づけています。
RC213Vも世界一操りやすいマシンを目指して開発されたもので、RC213V‐Sではさらに一般公道でも走ることができるように、構成部品の軽量化と加工精度を上げると同時にフリクション低減などを実現しています。

RC213V-Sは日本以外にヨーロッパや米国、オーストラリアなどで2015年に発売されました。
当時の価格は税込みで21,900,000円ですから、公道を走るといっても普及車からはかけ離れた特別仕様のバイクとなっています。
RC213V-Sは「EICMA(ミラノショー)」で発表されたバイクですが、正確にはRC213の市販マシンRCV1000Rを公道で走行可能にしたモデルと言えます。

RC213Vのほうは水冷4ストローク DOHC4バルブ V4エンジンを搭載しており、最高出力は175kW以上、車両重量は160kg以上です。
ホンダは昔からレースに強いというイメージがありますが、近年のMotoGPでの活躍ぶりは今ひとつという感じがしないでもありません。

2023年3月25日にはグランプリ史上初のスプリントレースにおいて、Repsol Honda Teamのマルク・マルケスが見事3位でフィニッシュを果たしました。
ちなみにリンス選手は13位でフィニッシュしています。
今後もこの勢いでがんばってほしいものです。