マルケスの来季はどうなるか


ホンダを離れてドゥカティ陣営のグレシーニに移籍したマルク・マルケス

MotoGPにおけるチームホンダのエースライダーとして人気を博したマスク・マルケス氏が、2023年後半にホンダを離脱したことがニュースとして話題になりました。
マルケス氏はホンダを離脱した後に、ドゥカティが運営するグレシーニと1年契約でチームへ加入しました。

レースバイクはメーカーごとに特徴が異なっており、まったく異なるレースマシンを短期間に乗りこなしてレースで結果を出すことは決して容易なことではありません。
そのためマルケス氏が移籍した際にも、ホンダからドゥカティのマシンに乗り換えてどこまで適応できるのかが注目されました。
しかしマルケス氏は難なくドゥカティのバイクへ対応することができ、チーム内ではドゥカティ陣営のフランチェスコ・バニャイヤ氏、そしてプラマック陣営のホルヘ・マルティン氏などのトップレーサーたちと肩を並べて優勝争いをするまでの実力を見せつけたのです。

ファクトリーチームへの昇格できずに他チームへ移籍も

チーム内で実力を思う存分に発揮したマルケス氏は、ファクトリーチームの昇格候補となりました。
チームが変わっても、レーサーとしての腕が買われてファクトリーチームに昇格できるのでは?と期待したファンは多かったのですが、蓋を開けてみると、イタリアGPが始まる直前にドゥカティチームはマルティン氏をファクトリーチームへ昇格することを決定しました。

これはファクトリーチームへの昇格という目標を持っていたマルケス氏にとっては、大きなショックだったようです。
自身の望みや目標を絶たれてしまったマルケス氏は、ドゥカティチームに残留してグレシーニ陣営でファクトリーマシンを走らせるか、もしくは自身がファクトリーチームへ昇格するかの選択肢を掲げています。

ドゥカティのサテライトチームであるプラマック陣営への移籍の可能性については、彼自身は現在は選択肢とは考えていないと明言しています。
しかし、プラマック陣営ではドゥカティのファクトリーマシンを独占的に利用できる立場にあり、来季以降もその状態は変わらないと考えられています。
そのため、ファクトリーマシンにこだわるマルケス氏にとっては、プラマックへの移籍を視野に入れない限りはファクトリーマシンでレースに臨む希望がたたれてしまいかねません。
彼自身、そして彼のスタッフにとっても大きな決断が迫られています。

そんな混乱気味な状況を、他のチームは指をくわえて見過ごすはずはありません。
MotoGPレーサーとしての実力は十分にあるマルケス氏に対して、他のメーカーがエールを送っているのです。
チームKTMは、すでにマルケス氏に対してオファーを提示しています。
来季は彼がどのような決断を下すのか、業界全体が注目していると言っても過言ではないでしょう。